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今回は

【アフターコロナの社会に生きる、これからの感染対策~栄養編~】①

 

緊急事態宣言が徐々に解除されている中ですが、未だコロナ陽性患者は数多くいます。またこれから先、同様に感染症の流行による社会的な被害が今後も起こることが予測されます。そのため、普段から感染症に強い身体作りをしていくことが必要であると考えられます。

 

今回は、日本臨床栄養代謝学会の公表している

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療と予防に関する栄養学的提言:JPSEM12の提言≫(https://www.jspen.or.jp/covid-19/参照)に基づいて、急性期における栄養管理についてまとめていきます!

*今回はちょっとだけ真面目な内容です。

 

【提言の概要】

 

  1. 栄養評価の実施
  2. 低栄養患者の栄養状態改善とNST活動の推奨
  3. エネルギーと蛋白・アミノ酸投与の強化
  4. 微量栄養素の適正投与
  5. 隔離/待機状況における継続的な運動と感染対策
  6. 経口栄養補助(ONS)の勧め
  7. 経口摂取不十分症例に対する経腸栄養の実施
  8. 経腸栄養不可症例に対する静脈栄養の実施
  9. 経腸栄養+静脈栄養の重視
  10. 気管挿管症例に対する適正栄養管理の実施
  11. 感染症例に対するNST活動の注意事項
  12. 社会栄養学の実践~予防が最大の治療~

以上の12項目がJSPEN12の提言として挙げられています。

 

この中でも、私は≪12.社会栄養学の実践≫というのが今後最も求められてくるものであると考えています。

 

【社会栄養学の実践~予防が最大の治療~】

≪看護の場面で感じた”予防”という考え方の重要性≫

表題にもあるように、「予防が最大の治療である」というのは病院で勤務する中で痛感しています。人は、歳を重ねるにつれて様々な疾患と共存しながら生きていきます。疾患は時に身体のどこかに麻痺を残したり、時に人の命を奪っていきます。

 

そんな状況を目前にして、いかに疾患を抱えずに生きていくか、あるいはいかにして疾患の進行を遅らせて生きていくかというのがあなたのQOLにさえ関わっていきます。

 

疾患の発症や増悪を予防すること、それがこれからの社会で生きていくためには必要な知識であり、スキルです。

 

≪提言の概要≫

さて、本題に戻ります。

「低栄養」状態の人がウイルスや細菌による感染性疾患に罹患すると一気に増悪し、不幸な転帰をとることが懸念されると指摘されています。

 

特にCOVID-19などのように、治療法や予防法が確立されていない感染症は、その発症や予後が個々のめねきりょくに依存することになります。このような場合に、前もって羅打の栄養状態を高め、維持していくことが必要であると考えられます。

 

全国各地域で特に高齢者や基礎疾患のある人を中心に、社会全体で”低栄養”の怖さを知ることやそれを予防するための栄養学的な知識をもつことが必要です。

 

「元気に食べて、活き活き生きるための栄養管理」=社会栄養学

という新しい概念を重視していくこと。これがこれからの社会の中で必要なことです。

 

【提言3:エネルギーと蛋白・アミノ酸投与の強化】

≪炎症反応による身体の反応と対応≫

本来必要とされる蛋白量が不足すると、生体防御を担う免疫力が低下し感染症重篤化をきたすことが懸念されます。

 

炎症反応によって、呼吸困難や臓器の障害、それに伴う生体への侵襲で著しいエネルギーと蛋白が消費され、程度によっては一日必要量の1.2~2.0倍を喪失することもあります。

 

感染症の極期には、炎症性ホルモン(副腎皮質ホルモンやアドレナリン、甲状腺ホルモン、グルカゴンなど)の分泌が亢進します。それにより投与される栄養素を身体に取り込むことが難しく、逆に高血糖などの状況を招くことがあります。

 

そのため、炎症が高度な場合(感染症極期)では全身の循環動態を安定させるための細胞外液(生理食塩水やリンゲル液など)の輸液が推奨されます。

この間に喪失したエネルギーや蛋白は、発熱が38度未満になり高度の炎症状態から回復し循環動態が安定している状況になった後に徐々に補っていくことが必要です。

 

つまり、感染症の発症早期で経口摂取が困難である場合は

  • まずは脱水を予防しつつ循環動態の安定をはかる
  • その改善を待って十分なエネルギーや蛋白、アミノ酸などの栄養補給を開始する

ことが推奨されます。

 

≪栄養コントロールの考え方≫

呼吸困難の併発がない症例

エネルギー比 糖質:脂質=30:70

呼吸困難併発症例であり人工呼吸器での管理が必要な症例

エネルギー比 糖質:脂質=50:50

代謝によるCO2の発生を軽減する目的で糖質を減少させ、不足分を脂質で補う)

で管理することが推奨されています。

*脂質については、免疫能賦活の観点から魚油やシソ油、えごま油に多く含まれるω3脂肪酸を推奨する報告もある。

 

糖尿病を基礎疾患としてもつ患者の場合、検討コントロールが困難になることで重症化や全身状態の悪化を来す場合もあるため、早期にモニタリングを開始する必要があります。

 

エネルギー投与量の算出方法

・呼気ガスを用いた安静時消費エネルギー(REE:kcal/日)の測定

 

・Harris-Benedictの式による算出

1日の必要エネルギー(kcal/day)=BEE×ActivityFactor×StressFactor

基礎エネルギー消費量:BEE(kcal/day)

男性:66+(13.7×体重㎏)+(5.0×身長㎝)-(6.8×年齢)

女性:655+(9.6×体重㎏)+(1.7×身長㎝)ー(4.7×年齢)

ActivityFactor=1.0~1.8(安静時~重度活動)

StressFactor=1.0~2.0(平常時~高度ストレス/高度炎症状態/大手術術後早期)

 

・体重からの算出

平常時:20~30Kcal/kg体重(年齢/性別/活動量/侵襲度に応じて算出)

感染症などの罹患時

①多疾患合併症例:27kcal/kg体重

②高度体重減少を来した他疾患合併症例:30kcal/kg体重

 

ただし、入院までに長期の低栄養状態であった場合、急激な十分量の栄養補給によりRefeeding症候群を来すことがあり、危険。そのためRefeeding症候群の発生に注意しつつ徐々に目標エネルギー投与量に到達するようにしていく必要があります。

 

【まとめ】

いかがでしたか?

感染症病棟配属になり、経腸や経静脈での栄養コントロールが必要になった患者さんの看護を実践する中で何故この輸液なのだろう、と考えたことはありませんか?

そこには、実はこういう理由があったのです。

 

これから感染症病棟に配属になる看護師の皆様にも、予備知識として持っておいていただき、日々の看護実践の中で一つの重要な観察項目として栄養状態に関しても看ていただけると幸いです。

 

今回は、ボリュームが大きく病院内での栄養管理に内容が限定されました。

次回「自宅でできる栄養管理の実践」についてまとめていきたいと思います!